
周りに矯正をしていることがわからずに歯並びを治すことができるインビザラインは、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないことが特徴のひとつです。しかし痛みを感じにくいインビザラインでも、ある程度の痛みを感じることと思います。ではインビザラインでの痛みの原因はいったい何でしょうか。また痛みが出たときの対処法についてもお話いたします。
インビザラインの歯の動きについて
矯正治療は、歯を動かすための矯正装置を装着し、力を加えて歯を動かしながら歯と歯並びを改善させていきます。矯正治療を始めると痛みを感じるのは、歯が動いているからです。特にワイヤー矯正の場合、わりと強めに痛みが出ると言われているため、「矯正治療は痛くて耐えられないかも・・・」と心配になられるのも無理はありません。
インビザラインは、アライナーと呼ばれる透明のマウスピースを交換しながら歯を少しずつ動かします。毎週交換するアライナーは、コンピューターでシュミレーションされた治療計画に沿って作製され、少しずつ歯を動かせるような形状になっています。インビザラインの場合、一か月に動かせる歯の移動量は0.25ミリと決められており、動かせる量はわずかですが、きちんとアライナーを交換することで確実に歯が動きます。
インビザラインで痛みが出るのはどんなとき?
ワイヤー矯正に比べ、コンピューター上のシュミレーションで管理されてアライナーが作製されたインビザラインは、比較的痛みを抑えることができると言われていますが、それでも全く痛みがないわけではありません。では次に、インビザラインで痛みが出るのはどんなときなのか、その原因をご紹介しましょう。
痛みの原因その① 初めてアライナーを装着したとき
インビザラインで痛みを感じる際に最も多いのは、初めてアライナーを装着した時と言われています。これまで歯に矯正装置を一度も付けたことがなく、初めてアライナーを装着したときは、ほとんどの方が何とも言えない感覚を覚えると思いますが、最も感じるのは「締め付け感」ではないでしょうか。またそれを「痛み」として感じることがあると思います。これまで何もなかった状態にいきなり歯全体を覆うアライナーを付けることで歯に力が加わり、締め付け感が痛みとして感じることが、最も大きな原因と考えられます。
痛みの原因その② 新しいアライナーに交換したとき
インビザラインは新しいアライナーを交換することで歯を動かし、歯並びを整えます。一見するとほとんど同じように見えるアライナーですが、よく見ると歯を動かすために前のアライナーと少しズレているのがわかります。そのため新しいアライナーに交換した際に少し窮屈に感じ、痛いと思うことがあります。
痛みの原因その③ アタッチメントやIPR、顎間ゴムなどをつけたとき
インビザラインの場合、歯をよりしっかり動かすためにアタッチメントという小さな突起を歯の表面に付けることがあります。また必要に応じて歯を動かすスペースを作るため、歯と歯の間をわずかに削るIPRという処置を行うことがありますが、処置後に歯ぐきに少ししみるような痛みを感じることがあります。
そして顎間ゴムという輪ゴムのようなものを付けて歯の動きを調整することがあります。顎間ゴムは歯に矯正用のゴムを引っかけて上下の歯を動かして噛み合わせを整える処置で、引っ張られるような感覚を痛みとして感じてしまうことがあります。
このように、歯を動かすために必要な処置を行った際に痛みを感じることがあります。
痛みの原因その④ アライナーを長期間つけなかったとき
インビザラインは、1日20時間以上アライナーを装着することが推奨されています。長時間アライナーを装着することでよりしっかりと歯を動かすことができますが、歯は矯正装置を付けていなければ元の位置に戻ろうとする性質があります。そのためもしアライナーを長い時間外したままでいると、歯が元の位置へ戻ろうとして、アライナーを装着したときにアライナーが合わなくなることがあります。さらにアライナーを無理に嵌めることで痛みを感じてしまいやすくなります。
インビザラインで痛みが出たときはどうすればいい?
インビザラインはワイヤー矯正よりも痛みが出にくい矯正治療法ですが、歯が動く痛みというのはインビザラインもワイヤー矯正も同じ理由で起こります。
痛みが出た際は、痛み止めを飲んで様子をみます。また歯の動く痛みはずっと続くわけではありません。ほとんどの場合、一両日中には治まりますのでそれほど心配する必要はありません。
ただ痛みを感じるときの食事は、慣れるまで少し辛いかもしれません。特に初めてアライナーを付けたときは、今まであまり感じたことのない違和感や締め付け感、痛みを感じると思います。このような場合、できるだけ柔らかいものを召し上がるほうがよいでしょう。
インビザラインは我慢できないというほどの痛みを感じることはそれほどありません。しかし強い痛みが何日も続くようなことがあれば、インビザライン以外の原因が考えられますので、強い痛みが続く場合は、早めに受診するようにして下さい。

はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニック 院長 小西知恵
日本歯科大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学の摂食機能保存学を専攻。その後、東京都・埼玉県・大阪府の歯科医院に12年勤務し、2015年にはぴねす歯科石橋駅前クリニックに勤務。2020年7月、はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニックの院長に就任。
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